さて、フィレンツェに到着し、ホテルのチェック・インまで時間があったので、荷物を預け、すぐさま駅に逆戻りして、今度は「ピサの斜塔」に向かいます。息子達は元気です。私達夫婦はクタクタです。
列車に飛び乗り約一時間、途中車内で妻が居眠りをしますと、別々に座っていたため、長男が偉そうに、「ここはイタリア、日本じゃないから居眠りなんかしてると物を盗まれるからダメ」と敵討ちです。
やっとのことで、ピサの駅に到着し、斜塔に向かいます。やはり長男はタクシーに乗せてくれません。今度は定期バスです。又、ここで問題が起こります。
息子達に任せておけば大丈夫と思っていますと、車中、チラリと傾いた建物の上部が私の目に入り、「ここが斜塔のバス停じゃないのか?」と長男に聞きますと、「わからん」と答えます。「そんなええかげんな!」と言うと「ここはイタリア、イタリア」と言われて返す言葉もありません。
思った通り、ピサの斜塔のバス停を乗り越してしまい、ダッシュでバスを降り、テクテクと徒歩で斜塔まで逆戻り、斜塔までの行軍中、次男は「イタリアには傾いた建物は多いから」って、兄の誤りを庇うのです。
「麗しき兄弟愛と思いながらも、嘘言え」、「ええかげんな兄弟や」と思いながら歩き続けた私です。
死にもの狂いで高い塀に囲まれたピサの門に到着し、ピサの斜塔は、写真の塔だけかと思っていたのが、この塔の前には、すごく立派な大理石で建築された教会があることと、ドゥオーモ広場の広々としていることには、驚かされてしまいました。
2時間くらい見学して、お土産を買って帰りのバスと列車に乗ってフィレンツェのホテルにチェック・イン、部屋に入ると、驚き 桃の木 山椒の木 だんだんよくなる法華の太鼓、ローマもナポリもフィレンツェも同額のホテルにもかかわらず、デラックスルーム、更に息子達の為には別の一室が用意されていたのです。
長男は血相を変えて、「これが本当に、ローマのホテルと同じ金額なの?」と私達二人に詰め寄ってきたのです。
妻が、「もうインターネットでお金は払い込んでいるから」と言うと、長男は「ホット」した顔になりました。
―つづく―(R・K)
《平成26年に香風寺イタリア・フィレンツェ別院にて講有巡教が奉修されます。ぜひ皆さんお参詣しましょう!!》
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