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正確に申しますと、久遠の過去に悟りを開かれた久遠実成釈迦牟尼如来から数えれば、本門佛立宗の歴史は「久遠」という計り知れない過去にさかのぼることができます。
しかし歴史を史実によってのみ語れば、まぎれもなく仏教はインドにご出現された釈尊(ブッダ)に始まりました。そして、その偉大な釈尊のご入滅後(なくなられた後)、諸方面に教えが弘められていきました。
- 中インドに起こった仏教はまず南方と西方に伝道が行われ、マウルヤ朝のアショカ王の外護もあり西はウッジェーニー、南はマッラーなどが仏教の中心地になりました。北の方、カシミール地方へはマデンチが派遣されました。さらに時代の経過とともに北方にはギリシャ人やクシャーナ族が侵入しましたが、それらの民族にも仏教は浸透していき、特にカニシカ王の時代、その強大な権力による外護もあり広大な領土全域に仏教がひろまりました。
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それがさらに中央アジアから西域を超え、中国、朝鮮半島、そして日本へと伝えられました。この流れを北伝仏教といいます。一方、南伝仏教はスリランカに強力な部派が発達して活動し、ミャンマー、カンボジア、ラオスその他へ弘通(流通)されていきました。
北伝仏教の中心は大乗仏教で、大乗仏教の特徴は、万人が仏になれると説き菩薩の生き方を理想とします。南伝は小乗仏教で、その特徴は厳密な戒律による出家生活をすすめ、阿羅漢という位をめざします。
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この3000年にわたる歴史をふまえて、日蓮聖人はインドの釈尊とナーガールジュナ(龍樹)菩薩(150~250)、中国の天台大師智顗(538~597)と日本の伝教大師最澄(767~822)などの偉人をたたえて高く評価されています。
しかし、一方で上行菩薩のお生まれ変わり・日蓮聖人には、これらの偉人を超えて直接、釈尊の内面のお悟りが伝えられたのでした。
ここでは簡単に仏教の3,000年に及ぶ歴史の中から、特に大事な釈尊と日蓮聖人につづいて、み仏の本意を伝えられた門祖日隆聖人と開導日扇聖人について簡単に紹介いたします。